在宅介護で知っておきたい!高齢者の肌トラブルとやさしいセルフケア


──介護美容の現場から見た「肌に触れること」の大切さ



“肌を守ること”は、“心を守ること”

「お母さん、最近かゆいって言うことが増えた」
「顔を拭くときに痛がる」「肌が粉をふいてるけど、どうしていいかわからない」

在宅介護やデイサービスで、こんな声をよく耳にします。
高齢になると、肌は思っている以上にデリケートになり、ちょっとした刺激で赤みやかゆみが出たり、乾燥して粉がふいたりします。

私がPOLAでエステティシャンとして働き始めたのは2015年。
お客様の肌に毎日触れながら「肌は“その人の生き方”を映す鏡」だと感じてきました。
そして2025年に介護美容サロン「和み彩(なごみいろ)」を立ち上げ、訪問美容を通じて高齢者の肌ケアに携わるようになってから、改めて強く思うのです。

“肌を守ることは、心を守ること”だと。

肌が整うと、表情が変わります。
触れられることで、安心して笑顔になる。
その小さな変化の積み重ねが、その方の「生きる力」に変わっていく──。

今回は、私が実際に現場で見てきた高齢者の肌の特徴や、家庭でもできるやさしいスキンケア方法をわかりやすくお伝えします。


高齢者の肌に起こる“変化”を知る

年齢を重ねるにつれて、肌は若いころとはまったく違う状態になります。
見た目だけではなく、“触ったときの質感”や“ケアの反応”も変わってくるのです。

🌿1. 乾燥しやすい

皮脂や汗の分泌量が減り、肌を守る「うるおいの膜」が作られにくくなります。
それによって、肌がカサつき、白く粉をふいたように見えることがあります。

🌿2. 薄く、刺激に弱い

加齢によって皮膚が薄くなり、ちょっとした摩擦や刺激で赤み・かゆみ・出血が起きやすくなります。

🌿3. バリア機能の低下

肌の表面は“外からの刺激を防ぐ壁”のような役割をしていますが、その壁がもろくなると、菌や乾燥から肌を守れなくなります。

🌿4. 血流が悪くなる

血のめぐりが滞ると、栄養や酸素が肌まで届きにくくなり、くすみや冷え、ハリの低下につながります。




現場でよく見る肌トラブル

在宅介護やデイサービスでは、以下のような肌トラブルをよく見かけます。
「乾燥くらい…」と思って放っておくと、悪化してしまうこともあるため注意が必要です。

💧乾燥・粉吹き

特にすね・腕・背中などに多く、冬場だけでなく、冷房の効いた夏にも起こります。

💧赤み・かゆみ

衣類や寝具の摩擦、清拭タオルのこすり過ぎで、赤みが出たり、かゆみが続いたりします。

💧湿疹・かさつき

乾燥が進むと肌の表面に小さなひび割れができ、そこから炎症を起こすこともあります。

💧顔の粉ふき・メイクのりの悪さ

女性のご利用者様の場合、乾燥が強いとファンデーションが浮きやすく、「化粧してもきれいに見えない」と感じてしまうこともあります。



トラブルの原因は“生活の中”にも

多くの肌トラブルは、「生活の中のちょっとした習慣」が関係しています。
以下のポイントを意識するだけでも、肌の状態は大きく変わります。

☀️1. 熱いお湯での入浴

40℃以上のお湯は皮脂を奪い、入浴後の乾燥を進めます。
ぬるめ(38〜39℃)のお湯で短時間の入浴が理想です。

🧴2. 石けん・ボディソープの使いすぎ

洗浄力の強い製品を毎日使うと、肌のうるおい成分まで洗い流してしまいます。
乾燥が気になる方には、低刺激の保湿タイプがおすすめです。

🚿3. ゴシゴシ拭く習慣

清拭や入浴後に「こすり拭き」をしてしまうと、角質層を傷つけてしまいます。
タオルで“押さえるように”水分を取るのがポイントです。

🪞4. 保湿のタイミングが遅い

保湿剤は、肌がまだ少し湿っているタイミング(入浴・洗顔後3〜5分以内)に塗るのが最も効果的です。

🍵5. 水分・栄養不足

高齢者は水分摂取量が減りやすく、身体の中からも乾燥が進行します。
1日コップ6〜8杯の水分を意識するだけでも、肌の調子が変わります。




家庭でできるやさしいスキンケア

介護美容の現場で大切にしているのは、「特別な道具」ではなく「やさしい手のぬくもり」です。
在宅でもできる基本ケアを紹介します。

🌸1. 清潔+保湿をワンセットで

「洗う」→「拭く」→「保湿」は10分以内に行いましょう。
この“保湿のゴールデンタイム”を逃さないことが、乾燥予防の鍵です。

🌸2. 保湿剤の選び方

・乾燥が強い方:クリームタイプ
・ベタつきが苦手な方:乳液タイプ
・全身に広く塗りたい方:ローションタイプ

香りの強いものより、無香料・低刺激の製品が安心です。

🌸3. 塗り方のコツ

手のひらで温めてから、やさしく包み込むように伸ばします。
“塗る”というより、“触れる”。
そのくらいのやわらかさが、肌にも心にも伝わります。

🌸4. 服やシーツの素材を見直す

ポリエステルやナイロンなどの化繊は摩擦を生みやすいため、
肌着や寝具は綿やガーゼ素材が理想です。

🌸5. 部屋の湿度を整える

加湿器を使ったり、洗濯物を室内に干したりして、湿度を50〜60%に保ちましょう。




介護現場で実感する「触れることの力」

私が介護美容の活動を始めてから、最も印象的だったのは、**“触れ方一つで表情が変わる”**ということです。

初めてお会いした利用者様が、
「乾燥してて恥ずかしい」「見せたくないの」とおっしゃっていたのに、
ケアの途中で「気持ちいいね」と笑顔になる瞬間があります。

肌にやさしく触れることは、“心に触れること”。
スキンケアは、清潔や保湿だけでなく、「安心感を届ける時間」でもあります。




家族のケアに取り入れるコツ

在宅介護をしているご家族にとって、「肌ケア」はつい後回しになりがちな部分です。
でも、無理のない範囲で取り入れることができます。

💞声をかけながら触れる

「今日はクリーム塗ってもいい?」
そんな一言で、相手の気持ちがほぐれます。

💞スキンケアを“日課”にする

朝の歯磨きや夜のお茶と同じように、スキンケアを生活の一部に。
「やってあげる」ではなく、「一緒にやる」気持ちが大切です。

💞嫌がるときは無理しない

肌に触れられることに抵抗を感じる方もいます。
そのときは、手や腕など“安心できる場所”から始めてみましょう。




プロの介護美容・訪問ケアとは

介護美容は、単なる美容サービスではありません。
高齢者の生活や身体の状態を理解したうえで、安全に行う「専門ケア」です。

私のサロン「和み彩」では、
お客様一人ひとりの肌状態を見て、最適なケア方法を提案しています。

🧴主なケア内容

お顔・首の保湿トリートメント

ハンド・ネイルケア(清潔・保湿・色づけ)

表情筋・口元マッサージ(食事・会話のサポートにも)

車いすのままでも受けられるフェイシャルケア


💬よくある相談

「母が顔を拭かれるのを嫌がるようになって…」
「乾燥してかゆいけど、どうしたらいいかわからない」
「施設でできる範囲で何かしたい」



そんなお声に寄り添いながら、
“触れられることが心地よい”と思っていただける時間を作るのが、私たち介護美容の役割です。




肌に触れる“優しさ”が、暮らしを変える

肌ケアというと、特別なことに感じるかもしれません。
けれど本当に大切なのは、「手の温かさ」と「寄り添う気持ち」です。

・こすらない
・乾かさない
・放っておかない

この3つを意識するだけで、肌は驚くほど変わります。

ご家族の笑顔、利用者様の安心、そのひとつひとつが日々の支えになります。
介護美容は“美しさ”のためではなく、“穏やかな暮らし”のためのケアです。






介護美容サロン 「和み彩(なごみいろ)」 では、
ご自宅・施設へ訪問してスキンケアやネイル・ハンドトリートメントを行っています。

📍対応エリア:富士見市・ふじみ野市・志木市・三芳町・さいたま市ほか
💬料金目安:個人訪問 5,000円〜、施設導入プランあり
👣サービス:フェイシャルケア・ハンドケア・水性ネイル・爪切り・足ケア

「肌が乾燥してつらそう」「施設でケアを取り入れたい」
そんなときは、どうぞお気軽にご相談ください。

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あなたやご家族の“笑顔をつくるケア”を、心を込めてお手伝いします。

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